History大学の歴史

2012-2017

リベラルアーツと
自由自治の再創造へ

2013年、5つ目の学部となるポピュラーカルチャー学部が誕生した。音楽とファッションを学ぶ学部は、マンガ学部に続いて新たに学問領域を創りだそうという精華の挑戦だった。しかし、大学を取り巻く環境はさらに厳しさを増し、組織の拡大によって、大学のアイデンティティが希薄化する懸念も出てきた。そんななか、精華が打ち出したのは、50年前、岡本清一が掲げた自由自治という建学の理念を見つめ直し、大学教育が本来担うべき教養教育、リベラルアーツを再構築することだった。この考えは、人文学部や芸術学部の再編にいかされ、全学共通科目「SEEK」の設置というかたちで具体化していく。

2012年度(平成24年度)

  • 2012年 4月

    • ・大学院マンガ研究科に博士後期課程を開設。
    • ・ポピュラーカルチャー学部、デザイン学部イラスト学科の2013年4月開設に向けて、設置届出書を文部科学省へ提出。「教学改革2013」に基づいて2010年度から準備してきた計画である。本学5番目の学部となるポピュラーカルチャー学部は、ポピュラーカルチャー学科1学科のもとに、音楽とファッションの2コースを置く。同学部は入学定員118名、収容定員472名の学部として、2013年4月の開設を予定。
    • ・デザイン学部イラスト学科は、ビジュアルデザイン学科のイラストレーションコースを基礎として、学科に発展させる。入学定員64名、収容定員256名で、同じく2013年4月の開設を予定。
    • ・マンガ学部でも、産業全体を支える人材育成をさらに進化させる目的で、2013年4月の実施を目標に、学部再編の準備をすすめた。マンガ学科にギャグマンガコースとキャラクターデザインコースを新設し、マンガプロデュース学科を学科からコースに改めてマンガ学科に配置する予定。この再編に伴いマンガ学科の入学定員は168名、収容定員は672名に増加となり、マンガ学部全体の入学定員は232名、収容定員は928名に増加する。
    • ・AO入試の募集枠の拡大と入学前教育の充実の方針を決定。AO入試の募集枠を拡大(8%増)し、大学全体の募集定員枠に対するAO入試の募集枠を約45%とした。
  • 5月

    • ・本学と京都市とが共同運営する京都国際マンガミュージアムが2012年度「第41回日本漫画家協会賞」特別賞を受賞。マンガ文化への貢献が認められての受賞だった。あわせて、竹宮惠子(マンガ学部教員/マンガ家)も同賞文部科学大臣賞を受賞した。これまでの全ての作品と、大学でのマンガ教育にかける情熱とその功績が評価された。
  • 7月

    • ・カザフスタンで開催された「第3回アスタナ国際アクション映画祭」に、本学の教員・学生が参加。若手アーティストを対象としたコンペに、韓国国立映画アカデミー、北京電影学院など各国のトップ校らと共に招待された。
  • 9月

    • ・人文学部再編の骨子が固まる。5月から、理事長の諮問機関として人文学部再編準備委員会を設置してさまざまな検討を行ってきたが、大学全体の教養教育や長期的な経営観点からの見直しを行い、全学的教学視点や文部科学省の認可手続き動向などから、5つの再編骨子を決定した。骨子は、歴史、文学、社会学の教養教育、フィールドワークを重視するカリキュラムなど、再度、体験主義、国際主義、学際主義に立ち戻ることを掲げるもので、この骨子に基づいた具体的な再編内容の検討作業を、2013年夏までに実施、2015年度の学生募集に反映させることとした。
  • 10月

    • ・学園の中期方針(2012~14)を策定すると同時に、教学における中期戦略指針として「3Hの教育」を策定した。そのうえで、この戦略方針を実現するために「3ポリシー(ディプロマ(学位授与)ポリシー、カリキュラム(教育課程編成)ポリシー、アドミッション(入学者受入)ポリシー)」の検討を各学部へ要請。
  • 12月

    • ・定年年齢の引下げの実施見送り。定年年齢を引き下げる措置を2013年度から開始することに向けて諸準備を行ってきたが、組織活性化への実効性、経過的緩和措置を考慮したうえでの財政的効果、社会的状況等を入念に検討した結果、今後多様な雇用制度の開発に優先的に取り組むことを前提としたうえで定年年齢の引下げの実施を見送ることとした。
    • ・京都精華大学の文化・芸術教育などの取組みを支援する「セイカファンクラブ」が発足。
    • ・既設の資格課程の受講状況調査等の結果から、極端に受講者の少ない3資格(学校図書館司書教諭、社会教育主事、社会調査士)については、2014年度生から課程教育を中止することとした。
  • 2013年 2月

    • ・ポピュラーカルチャー学部の実習室を配置する新校舎の建築工事が始まる。音楽とファッションを学ぶための施設建築基本計画、実習室配置計画を練り上げ、実施設計業務を発注、12月に建築工事を発注した。着工に必要な法的手続きの完了を待って2月に着工し、2014年3月の竣工に向けて工事を順調に開始した。
  • 3月

    • ・本学のキャリア支援の取組みが文部科学省に「優秀校」として認定される。認定されたのはキャリア支援プログラム「クリエイターデビューを目指す表現者のキャリア形成支援」。採択された465件のプログラムのうち、特に優れた取組みとして認定されたのは、本学のプログラムを含め25件だった。

2013年度(平成25年度)

  • 2013年 4月

    • ・京都精華大学5つ目の学部となる「ポピュラーカルチャー学部」開設。入学者数93名。「音楽」「ファッション」の2コース編成で、ポピュラー音楽とファッションを学ぶ。本学は社会的、文化的に大きな意義を持つこの2領域を教育研究分野として確立することに、日本の大学として初めて取り組むことになった。
    • ・ポピュラーカルチャー学部の学部専用棟は2014年3月に竣工予定のため、2013年度は清風館を改修して1年生のための実習室を整備した。音楽コースの実習室は防音加工を施し、外部からの音の干渉や音漏れがない環境を整えた。ファッションコースでは潤沢な作業スペースを確保することを主眼に実習室が整備された。
    • ・マンガ学部マンガ学科を再編し、ギャグマンガコース、キャラクターデザインコースを開設。マンガ分野の成長と多様化、細分化に対応するもので、ギャグマンガコースは、「笑わせる」というマンガの原点に立ち返り、発想力、構成力、作画力を磨く。キャラクターデザインコースは魅力的なキャラクターを生み出し、ビジネスに結びつける力を育てる。また、既存のカートゥーン、ストーリーマンガ、マンガプロデュース、アニメーションとのコラボレーションをより活発にするため、学部共通科目も充実させる。
    • ・ギャグマンガコース、キャラクターデザインコース開設に伴い、実習室を整備。ギャグマンガは自在館地下1階を改修し、実習室および教員研究室を設けた。キャラクターデザインは、本館5階を改修して1年生実習室と教員研究室を準備し、2年生を迎える2014年度に向けて、さらに改修によって2年生実習室を設けた。デジタル作画教育に対応するため、大型プロジェクターと、学生一人ひとりにモニターを完備した。
    • ・デザイン学部ではイラストコースを再編拡充したイラスト学科が開設。入学者62名。イラスト領域の志願者増に対応し、志願者層の多くが求めている幅の広い描画教育、産業界で強く求められている新たな表現領域を切り開く人材育成を行う。定員も従来の倍となり、新しい体制に対応するため、風光館を改修し、学習環境を整えた。実習室・演習室8室および大学院研究室、共同研究室のほか、版画工房、デッサン室、PCルーム、プロジェクトルームなどの工房を備えている。
    • ・キャンパスの近くにある学外食堂施設「れあた」での酒類提供再開を決定。2010年11月、当時芸術学部1年の学生が急性アルコール中毒で亡くなった事故を受けて、本学では「飲酒事故防止対策委員会」を発足させ、対策に取り組むと共に、学内、学舎、宿舎を含め、大学関連施設での飲酒を全面的に禁止した。この間、学内での飲酒を禁止したままにするかどうかは、教職員や委員会や各学部・コース、学生自治会などでも議論してきたが、当年度より「れあた」でのみ、酒類提供を再開することを決定した。この決定は、2012年3月に、学生自治会執行部から出された提案書を受けて、第2次飲酒事故防止対策委員会が検討。提案をほぼ了承し「れあた」での飲酒を基本的に認める方針を学長に報告した。同年4月19日の教職員合同会議では、この方針について教職員で議論。「れあた」での酒類提供を再開するにあたり、坪内成晃学長が教職員に対し、本学の「教育の基本方針」の再確認を求め、京都精華大学の構成員として飲酒事故防止に真摯に取り組むよう要請した。
  • 5月

    • ・学外食堂「れあた」が、新たに「REATA」としてリニューアルオープン。和食中心のメニューから、学生に人気のパスタやサンドイッチなどにメニューを一新。内装も、作品展示やイベントがしやすいよう有機的な空間に様変わりした。今まで以上に、学生、教員、職員が集い、語らえる場となる。
  • 7月

    • ・京都市と大学コンソーシアム京都が実施する「学まちコラボ事業(大学地域連携創造・支援事業)」の2013年度支援事業として、人文学部の学生グループによる研究活動3件が認定された。
  • 9月

    • ・「クリエイティブ・ラボ・プロジェクト2013」開催。クリエイティブ・ラボ・プロジェクトは年に一度、世界的に活躍するゲストを講師に招いて、全学部生、院生を対象に、レクチャーやワークショップを行うプロジェクトだが、当年度は、オランダのプロダクトデザイナー・建築家・テキスタイル研究家であるサミラ・ブーン氏を講師に招き、レクチャーやワークショップなどを開催した。
  • 10月

    • ・学生相互によるキャリア支援・サポートを行うピア・サポート制度がスタート。すでに就職活動を終えた学生がピア・サポーターとして、自身の経験をもとに就職やキャリアの相談に応じるものである。この制度の広報活動として、ピア・サポーターの学生たちが自主的にPRキャラクターを作ったり、SNSを運営するなど、活発な動きを見せた。
    • ・瀬戸内海の島と高松・宇野を会場に3年に1度開催される「瀬戸内国際芸術祭」に芸術学部の教員、学生らが参加。高見島で地域性を活かした立体、テキスタイル作品などを展示した。
    • ・東京・明治神宮外苑にて開催された「TOKYO DESIGNERS WEEK 2013」に、デザイン学部プロダクトデザイン学科と建築学科の学生やデザイン学部の教員が参加した。
  • 11月

    • ・創立45周年事業としてダライ・ラマ14世の講演会を開催した。ダライ・ラマ14世が来学するのは、2000年に続いて2回目。テーマは「世界を自由にするための方法」。講演会は11月23日と24日に実施された。23日は「世界を自由にするための方法—学生との対話」と題され、本学体育館で在学生・卒業生・在学生保護者・高校生を対象に開催された。24日は、作家のよしもとばなな氏をゲストに迎え、「世界を自由にするための方法—宗教家と芸術家の視点から ダライ・ラマ14世×よしもとばなな」と題して、国立京都国際会館で開かれた。両講演会とも、司会進行は、本学人文学部教員のレベッカ・ジェニスン。講演会の運営スタッフは教職員有志で構成され、在学生もボランティアスタッフとして多数参加した。講演会には、2日あわせて3000名以上が来場し、大成功を収めた。また、この講演会の記録は、後日、講演動画を本学ホームページにて公開すると共に、インタビュー記事を含む記録冊子を作成し、一般参加者を含めたステークホルダーへ配付した。
  • 2014年 3月

    • ・学生生活総合支援サイト「セイカ・ポータル」の2014年度からの稼動に備えた構築が完了。学内の情報基盤システム全般のリプレイスメントとして行われた。新システムによって、履修登録から始まり各種確認(履修科目、成績、休講・補講情報、奨学金案内)や抽選科目申込、シラバス閲覧、キャリア支援情報の取得など、さまざまな教育支援機能が整った。また、あわせて、法人用業務システム(総務・経理系)のリプレイスメントも実施し、全学情報システムの基礎整備が完了した。
    • ・ポピュラーカルチャー学部専用棟「友愛館」が竣工。地上3階地下2階の建物で、音楽コースの設備として、アコースティック楽器やボーカルの繊細な音色の録音まで可能としたスタジオや練習室などを備える。一方、ファッションコースのためには、回廊をイメージした全学年が使用する実習室や制作スペース、講義室が設けられた。3階には約500人収容の多目的ホールも。
    • ・45周年に向けた寄付募集が目標額1億円に対して9036万円の寄付を集め、達成率90%に。本学の一般向けファンクラブ「セイカファンクラブ」会員数も合計500名を突破した。

2014年度(平成26年度)

  • 2014年 4月

    • 竹宮惠子(マンガ学部教員)が学長に就任。任期は2018年3月まで。竹宮は少女マンガ界に変革を起こしたマンガ家として知られるが、2000年、マンガ学科開設と同時に本学の教員に就任。大学におけるマンガ教育に積極的に取り組んできた。就任にあたって、原点回帰と「大学で学ぶ意味」を問い直す教学改革を打ち出した。
    • ・人文学部では2015年度以降の入学者向けに、学部再編のための学則変更を行った。教学内容の充実による定員充足率の改善を目的とした再編で、新カリキュラムは、1年次に人文学の基礎を身につけ、2年次から「文学」「歴史」「社会」の3つに分かれて専門領域を学ぶというもの。また、専攻で身につけた知識を社会に活かすための「社会とつながるプログラム」が必修科目として設置され、3年次前期の半年間はキャンパスを離れて、国内・国外のさまざまな演習地で学ぶ「フィールド・プログラム」が用意された。人間と社会に対する深い洞察力と、それを自らの人生や社会に還元させる力を身につけることを目的としている。
    • ・本年度より学生生活総合支援サイト「セイカ・ポータル」の運用を開始した。主な機能は履修登録、登録科目の確認、成績情報、休講・補講情報のほか、奨学金募集やキャリアガイダンス等、各種情報の案内である。事務局が発信する情報について、教職員・学生がそれぞれの専用ポータル画面から、時間や場所を問わずアクセスすることが可能となった。
    • ・入学試験時にインターネットで出願できるシステムを導入した。2015年度入試の出願者1325名中、インターネット出願は894名で67.5%を占めた。入試種別では時期が遅いほどインターネット出願比率が高くなっており、2015年度には志願者の出願手続きの簡便化を推進するため、教学用業務システムと統合する計画を立てた。
    • ・学生食堂がある悠々館横に、デザイン学部建築コースの学生がデザインした広場が完成。在学生の保護者で構成される教育後援会からの寄付500万円を受けて2013年度から制作された。
  • 6月

    • ・京都府と包括連携協定を締結した。2017年度末までの3年間、教育研究の成果発信、フィールドでの研究を活かした人材育成、地域貢献や地域交流を目的に活動する。2014年度は、マンガ学部授業内での啓発用マンガ制作(看取りについて考える、薬物の危険性を伝える等)を受託して取り組んだほか、府庁内での催し「歓芸祭」にポピュラーカルチャー学部音楽コースが出展した。
  • 7月

    • ・本学の教育研究の特色化を図るため、「京都精華大学 教学の中期方針 2015~2017」を制定した。教養教育を基礎とした全学的な教育、多文化との交流教育、自由自治に触れる教育を推進することを定め、教職員へ周知した。
  • 8月

    • ・グローバルな人材の育成や地域社会の発展支援などの社会的要望や、高等教育政策からの要請に対応するため、国際化についての方針「京都精華大学 グローバルビジョン」を定めた。国際的な視点を育てるカリキュラムの構築、多文化交流を可能にするプロジェクトの推進を掲げ、それに向けて、国際教育部の設置や人員採用、奨学金規定の整備等、取組みの準備を開始した。
  • 10月

    • ・「私立大学等改革総合支援事業」で本学の取組みが採択。文部科学省が、教育改革に組織的に取り組む私立大学等に対し、経常費・設備費・施設費を一体として重点的に支援する制度で、2014年度は、地域社会貢献、社会人受け入れ、生涯学習機能の強化等を支援する「タイプ2地域発展」に選定された。
    • ・京都精華大学創立45周年記念事業「ダライ・ラマ14世×よしもとばなな講演会」を収録した書籍が出版。よしもとばなな氏の著書『小さないじわるを消すだけで』(幻冬舎)に、本学が創立45周年記念事業のひとつとして2013年11月に開催した、ダライ・ラマ14世とよしもとばなな氏の講演会における講演や対談などが収録された。
  • 2015年 3月

    • ・2015年度に大学認証評価を受審するため、点検・評価報告書、根拠資料、大学基礎データの提出を行った。本学では、2014年度に入ってから、大学認証評価受審に向けて、自己点検・評価運営委員会の元に自己点検・評価実施委員会を設置して活動を集約し、全学的視点から評価活動を行うなど、準備を行ってきた。
    • ・「京都精華大学学位規程」「京都精華大学教授会規程」「京都精華大学専任教員の採用・昇任に関する規程」「京都精華大学入学者選抜規程」等、24本の規程を改定した。大学のガバナンス改革に重点を置いた学校教育法の改正を踏まえ、学長がつかさどる事項、教授会をはじめとする各機関の役割の見直し、学内手続きの変更等を行った。また、本学にふさわしいガバナンス形成を目指し、組織や各委員会、会議体の役割確認と見直しを図るための協議を行った。

2015年度(平成27年度)

  • 2015年 4月

    • ・人文学部新教育課程が実施される。人文学部では、1年次に人文学の基礎を身につけ、2年次から「文学」「歴史」「社会」の3つに分かれて専門領域を学ぶというカリキュラム変更を行った。新1年生の必修演習科目「初年次演習」「ことば演習」がスタート。両科目では、担当教員にアシスタントを配置し、学生のグループワークやディスカッション、個人制作を補助する形式を導入する。
    • ・2014年度に定めた国際化についての方針「京都精華大学 グローバルビジョン」に沿って、海外留学を活性化させるため、交換留学派遣学生を対象とした給付奨学金制度を設け運用を開始した。また、外国人留学生受入促進のため、給付奨学金と学費減免制度を見直し、2017年度から新制度を導入するため規程制定の準備を行った。
    • ・同じく、「京都精華大学 グローバルビジョン」の一環として、明窓館1階に国際的教育活動を主眼にしたラーニングコモンズ「iC‐Cube(アイシーキューブ)」を開設した。学生が主体的・自主的に国際交流と語学学習を進めることができる空間とし、学生の異文化理解、コミュニケーション力など、キャンパス内で国際性を高めることを目的とする場所を創出した。また、「国際課」を「国際教育部」として独立させ、活動の活性化を図った。
  • 5月

    • ・教学と組織の一体的改革の実行計画「2017京都精華大学改革実行プラン」が理事会で承認され、スタート。教養教育を基礎とした全学的な教育、多文化との交流教育、自由自治に触れる教育を推進するためのカリキュラム設置に向けて準備を始める。
  • 7月

    • ・「京都精華大学 グローバルビジョン」に沿ってアクションプランを作成した。海外への学生派遣の促進、海外協定校との教育研究活動の連携強化、外国人留学生受入数の増員等について具体的な数値目標を定めた。
    • ・文化庁「メディア芸術連携促進事業」として、国際マンガ研究センターの2件の事業が採択された。書籍資料やマンガ原画の整理・保管、それらの活用モデルの開発を通して、国内のマンガ関連施設やコンテンツホルダーとの連携を推進するもの。この事業採択を受けて、本格的なマンガ原画の整理・保管を開始した。
    • ・香川県仲多度郡多度津町と「芸術・文化の連携・協力に関する協定」を締結。
  • 9月

    • ・人文学部が京都市動物園と環境教育に関わる連携協定を締結。人文学部板倉豊ゼミの4年生15人が中心となり、9月にオープンした京都市動物園内「京都の森」のプロデュースに関わったことがきっかけ。園内に里山の森を再現し、田植えや稲刈り、ザリガニ釣りなどを体験することで、子どもたちに生態系を知ってもらおうというもの。
  • 11月

    • ・芸術学部の学科再編検討がスタート。芸術学部は「造形学科」「素材表現学科」「メディア造形学科」の3学科を、新しく「造形学科」1学科とする計画。文部科学省への設置届出に係る事前相談も行った。マンガ学部では「マンガプロデュースコース」「ギャグマンガコース」を募集停止し、「新世代マンガコース」を設置する計画を決定。
    • ・文部科学省が、教育改革に組織的に取り組む私立大学等に対し、経常費・設備費・施設費を一体として重点的に支援する「私立大学等改革総合支援事業」に採択された。2014年度は地域社会貢献や社会人受け入れ等について評価される「タイプ2地域発展」のみの採択だったが、2015年度はそれに加え、「タイプ1教育の質的転換」も採択された。全学的な体制での教育の質的転換、学生の主体的な学修の充実等が評価された。
  • 2016年 1月

    • ・人文学部が講演会「いま世界で何が起こっているのか?─シリア、ヨーロッパそして日本─」を開催。「シリア問題」「難民」などについて、ジャーナリストの玉本英子氏(アジアプレス)が講演を行った。
  • 3月

    • ・大学基準協会による大学認証評価で、大学基準に適合していると認定された。認定の期間は2023年3月31日まで。
    • ・「京都精華大学ダイバーシティ推進宣言」を発表。本学は、ダイバーシティという言葉がまだ日本社会に浸透していなかった1968年の設立時から、さまざまな差異を持つ全ての大学構成員が尊重され人格的に平等であることを、教育の基本として歩んできた。大学を取り巻く社会が世界規模で大きく変わりゆくなかで、改めて多様性を重視する考え方を強調する必要があると考え、ダイバーシティ推進宣言を発表した。
    • ・この宣言前から、今年度は障がい学生への対応の強化に取り組んできた。SD・FD研修としても、障がい学生への対応に関する研修「障害者差別解消法の施行にどう向き合うか」「発達障がいのある学生への支援」「視覚障がいガイドヘルプ講習会」を実施した。

2016年度(平成28年度)

  • 2016年 4月

    • ・芸術学部は2017年度に既存の3学科(造形学科、素材表現学科、メディア造形学科)を募集停止し、新しく「造形学科」を設置するため、文部科学省への設置届出手続きを行った。芸術学部では長らくコース単位での授業運営が行われていたが、専門性を残しながら各領域を横断的に学べるカリキュラムに変更することで、より広い思考と多様な技法を習得することを目指す。
    • ・マンガ学部においても、マンガプロデュースコースとギャグマンガコースの学生募集を停止し、インターネットの時代における新しいマンガ表現を開拓する「新世代マンガコース」の新設を軸とする学部カリキュラム再編の準備を行った。
    • ・教学と組織の一体的改革の実行計画「2017京都精華大学改革実行プラン」を実現するため、カリキュラムの整備、教員の採用、規程制定等の準備に取り組む。
    • ・「京都精華大学ダイバーシティ推進宣言」に沿って具体的な取組みを公表し実行。学生定期健康診断の受診日時についてLGBTや健康上の理由を持った学生に向けた別日程の設定、学籍簿や大学の発行する証書の氏名・性別記載変更の受け入れ、多目的トイレの表示の変更等を行ったほか、食堂におけるハラールフード(イスラム教の戒律に沿った食べ物)の導入の検討を開始した。また、教職員の就業規則における特別休暇および弔慰金の対象とする配偶者を、同性婚などのパートナーまで想定し拡大した。
    • ・研究費制度の新設。2016年度から学内の研究費制度を改め、従来の個人研究費に加え、学長が指定する特定の課題・テーマに則した研究を対象とする「学長指定課題研究費」、積極的に研究に取り組む教職員を支援するために助成する「個人研究奨励費」のふたつの制度を設けた。
    • 京都市動物園、京都府相楽郡精華町と包括連携協定を締結した。
  • 6月

    • ・11月に10周年を迎える「京都国際マンガミュージアム」の活動が評価され、第20回手塚治虫文化賞特別賞を受賞した。副賞の100万円は、熊本地震復興支援の一環として全額を寄付。
  • 7月

    • ・2014年度に定めた「京都精華大学 グローバルビジョン」に基づいて、留学生の短期受入プログラム「Kyoto Inspiration」を企画、実施。
    • ・交換留学派遣促進のため、ブラウンシュヴァイク美術大学(ドイツ)、パリ・カレッジ・オブ・アート(フランス)と交換留学協定を新たに締結。
  • 9月

    • ・滋賀県長浜市と包括連携協定を締結した。長浜市とは、芸術教育について同市の小学校教員と本学芸術学部教員が意見交換を行う「学校連携テーブル」の実施や、ユネスコ無形文化遺産に登録された「長浜曳山まつり」への学生受け入れ等、文化・芸術に関わる事業において活発に連携している。
  • 10月

    • ・シェアアトリエ「THE SITE(ザ・サイト)」オープン。左京区に所有する校舎(旧京都インターアクト美術学校)を株式会社フラットエージェンシーとの産学連携により、シェアアトリエ用にリノベーションした。アーティストやクラフトマンが集まり、新たな活動・情報発信の拠点となる場所をつくることで、芸術文化振興の新しい発信地としての役割を担うことが目的。施設は通りを挟んだ4階建てと2階建ての建物からなり、専用のアトリエ以外に、入居者が共同で利用できる工作室や談話室、入居者以外でも利用できる展示スペースが設けられた。新しい創造の場というだけでなく、コミュニケーションの場となることも期待される。
    • ・履修証明制度を活用した「文化・芸術教養講座」を開設。本講座は社会人のための授業体験プログラム。学生と共に正規の授業に出席し、本格的な工房を使った制作指導や、研究者による講義を約半年~1年間受講することができる。
  • 11月

    • ・「京都国際マンガミュージアム」が10周年を記念して、京都国際マンガミュージアム館長・養老孟司とアニメーション作家・宮崎駿氏の「養老孟司・宮崎駿 ふたり展」を開催した(10月30日~11月27日)。養老館長と長年親交のある宮崎氏が個人的な趣味の世界を紹介する企画展。会期中には「10周年記念対談 養老孟司・宮崎駿 趣味のお話」(11月13日)という記念対談も開催された。
      ほかにも、開館10周年記念行事として、過去10年間に来館した著名なマンガ家の石膏手型を設置する「マンガ家の手」常設展示室のオープン、演奏会 「マンガに登場するクラシックの名曲vol.2」の開催、「京都国際マンガミュージアム10年のあゆみポスター展」などが開催された。
  • 12月

    • ・「2017京都精華大学改革実行プラン」の一環として設計を進めていた新たな全学共通教育科目の骨格が固まる。この全学共通教育科目は「SEEK(Socially Engaged Educational Key/社会につながる教育の鍵)」と名づけられ、「教養科目」「副専攻科目」「コラボレーション科目」の3つの科目群で構成される。この設計に基づき、シラバスの作成や教員の配置がスタートした。
  • 2017年 2月

    • ・ポピュラーカルチャー学部初の卒業制作展を学内で開催。2013年度に設置されたポピュラーカルチャー学部は2016年度に完成年次を迎え、2017年2月に初めての卒業制作展を学内で開催し、1138名の入場者があった。
  • 3月

    • ・選挙制度を変更。2017年度に予定される2号理事・2号評議員および学長の改選期を前に、全構成員が経営に責任を持つという本学の理念を改めて徹底するための選挙制度に改めた。学長・2号理事に関しては専任教職員10名以上の推薦を受けた者を被選挙人とすること、推薦者は推薦理由書を提出すること、被選挙人は就任後の方針や展望を明らかにすることとした。また評議員選挙に関しても、専任教職員3名以上の推薦を受けた者を被選挙人とすることとし、規程改定を行った。
    • ・専任教職員の定年年齢を引き下げる規程改定を行った。2019年度を起点として、2年に1歳ずつ定年年齢を引き下げ、2027年度に65歳定年へ移行するよう規程を改めた。
    • ・「2017京都精華大学改革実行プラン」に伴い、教育・研究組織の中に新しい機構を編成する準備を行った。全学で横断的に開設される共通教育科目の拡大に応じるために「全学教育機構」を設置、活動強化が必要とされている領域を振興するために5つのセンター(高大接続センター、国際教育センター、キャリアデザインセンター、ダイバーシティ推進センター、伝統産業イノベーションセンター)を設置することとした。研究活動と社会連携事業の活性化を推進するために研究執行機関も再編成し「全学研究機構」を設置、全学研究センター、国際マンガ研究センター、社会連携センター、情報館を配置した。
      また、事務局に関しても、協働できる横断型の業務遂行に切り替え、従来の縦割り構造から融合型の組織体制に改組することとした。11部17課からなった部課を、2017年4月から7つのグループ(経営企画、総務、広報、教学、学生、研究推進、京都国際マンガミュージアム)に統廃合するための規程制定・改定を行った。
    • ・国際学生寮 修交館が竣工。留学生と日本人学生が共に生活し、交流を通して国際感覚を磨き、さまざまな価値観に触れて多文化を学ぶ実践的な教育の場として設計した。居室は留学生と日本人の2人1部屋。寮内にはレジデント・アシスタント(RA)として上級生も居住して、寮生活をサポートする。また、教育プログラムや各種交流イベントなども展開する。
    • ・「平成28年度学まちコラボ事業報告会」で、本学の学生が運営する「京都精華大学京北宇津宝さがし会」が最優秀団体に認定。

2017年度(平成29年度)

  • 2017年 4月

    • ・「2017京都精華大学改革実行プラン」に基づき、5学部共通の全学共通教育科目「SEEK」がスタート。人間と世界に対する知識を養い、リベラルアーツと表現を結合させ、学部の専門性を社会へ開かれた内容へと展開する力を身につけるため、全学共通で学ぶ新しい教育プログラムとして開設された。本学が培ってきた各専攻の高い専門性を、「教養科目」という根を広げることで支え、環境の変化を感知して伸びる枝葉のように「副専攻」と「コラボレーション科目」が社会との接点を創出。社会展開力を持つイノベーティブな芸術文化人の育成を目標に掲げている。
    • ・芸術学部を改組して「造形学科」に一本化。また、1年次からのコース選択を廃止し、1年間は専攻を横断して学ぶカリキュラムを導入した。1年次の学部共通カリキュラムとして、「体幹教育」「基礎ゼミ」「メチエ基礎」の3つを推進。2・3年次は7分野からひとつ専攻を選ぶ。4年次はゼミを選択し卒業制作に取り組む。まずはさまざまなジャンルに挑戦し、そこから進むべき道を見つけることで、広い視野を持ってやりたいことを探求できる。
    • ・マンガ学部は、マンガ学科のマンガプロデュースコースとギャグマンガコースの学生募集を停止し、「新世代マンガコース」を新設した。「新世代マンガコース」は、マンガの流通・消費の一大変革期に対応し、デジタル環境に適したマンガ表現を開拓できる人材の育成を目標にしている。描くことにとどまらず、自ら作品をプロデュースし、社会に発信していくための総合的なプレゼンテーション力やマーケティングスキルを養うプログラムを実施。個人事業主としてのマンガ家を着実に育てることや、包括的なITリテラシー教育によって、マンガ家だけではなく、企業広報やネットメディアなどへの人材輩出も視野に入れた教育を行う。新機軸のマンガ教育は各方面から高い注目を集め、初年度は、定員を上回る入学者を得た。
    • ・組織再編の実施。教育・研究組織に全学教育機構・全学研究機構・5つのセンター(高大接続センター、国際教育センター、キャリアデザインセンター、ダイバーシティ推進センター、伝統産業イノベーションセンター)を設置、事務局を7つのグループ(経営企画、総務、広報、教学、学生、研究推進、京都国際マンガミュージアム)に再編した。
    • ・人文学部のフィールド・プログラムが実施される。人文学部では、2015年度に新カリキュラムをスタート。3年次前期に必修科目「フィールド・スタディーズ」が置かれ、半年間、キャンパスを離れて、国内・国外のさまざまな演習地で学ぶことになったが、今年度が初めての実施年度となった。
      また、このフィールド・プログラムは、2014年度に定めた「京都精華大学グローバルビジョン」の「海外への学生派遣の促進」という目標を実現するものでもあった。このプログラムに、アジア、北アメリカ、オセアニア、ヨーロッパで23人の学生が参加した意義は大きい。なお、海外フィールド・プログラム実施にあたっては、留学生危機管理サービス(OSSMA)を導入し、危機管理体制の強化を図り、8月に無事、23人全員が帰国した。国内の学生も全員、無事プログラムを終えた。
    • ・「海外ショートプログラム」で、新たにスタディツアー型のプログラムを開設。前後期あわせて計13プログラムに69人の学生が参加した。
    • ・本学と京都市の共同事業である「京都国際マンガミュージアム」の養老孟司館長が2016年度末をもって退任し、2017年4月1日付けで、作家の荒俣宏が新館長に就任。また、養老孟司館長は名誉館長に就任した。
    • ・本学のゴミ削減の取組みが、京都市の実施する産廃処理チェック制度「産廃処理・3R等優良事業場認定制度」において3カ年連続で優良認定され、表彰を受けた。本学は他大学に先駆けて環境保護に取り組み、2000年にはISO14001の認証を取得。その後、認証は返上したが、環境保護のために独自に続けてきた取組みが認められた。具体的には、授業内での資源の再利用、有害な薬品を使用しない技法の実施、学生食堂で余った野菜屑をデッサン用の飼育動物の餌にするなど。
  • 6月

    • ・学長、2号理事、2号評議員選挙実施。新学長にウスビ・サコ(人文学部教員)が選ばれる。任期は2022年3月まで。サコはマリ共和国出身。2001年から人文学部教員としてコミュニティ論などを教え、2013年から人文学部長。日本の大学で初めてのアフリカ系の学長となる。
  • 8月

    • ・国際マンガ研究センターの調査・研究が文化庁による「アーカイブ推進支援事業」「メディア芸術連携促進事業」に採択される。前者ではマンガ評論家・村上知彦氏のコレクション形成とオーラルヒストリー採取、後者では明治大学や横手市増田まんが美術館との連携によるマンガ原画のアーカイブと活用モデルの開発を進めた。
  • 10月

    • ・京都の10大学で構成する「京都アカデミアフォーラムin丸の内」で開催された、「京都アカデミアウィーク2017」に参加。文化・芸術・科学等に関心のある人々に、さらに一歩踏み込んだ京都の魅力を伝えるためのイベントを各大学が連携して実施するもの。本学は田中圭一(マンガ学部教員)がワークショップを行った。
  • 11月

    • ・人文学部フィールド・プログラム活動報告パネル展が開催される。人文学部3年生が今年の4月~9月にかけて、キャンパスを離れ国内外でフィールドワークを行った成果を発表するもので、学園祭にあわせて開催された。
  • 12月

    • ・石田涼(専務理事)が理事長に就任。石田は1989年に事務局に入職。教務部、企画室、入試広報部長などを経て、1999年度より理事を務める。
  • 2018年 2月

    • ・卒業・修了発表展を初の学内開催。これまでは京都市美術館など学外で開催していたが、同美術館が改修期間に入ったことから、芸術系学部中心だった卒業・修了発表展を人文学部を含めた全学部の展示・報告会に発展させ、学修の成果を発表する機会を増やす絶好の機会と捉え、学内で全学部の展示を行うこととした。制作管理、設営等にも学生が携わり、約5000人の来場者があった。

2012年度のできごと

東京スカイツリー開業。福島第1原発事故後の検査で全原発が一時稼働停止に。李明博大統領が竹島上陸。尖閣諸島を国有化、中国で反日デモ広がる。オスプレイ12機が普天間飛行場に配備。シリア内戦激化。iPS細胞作製で山中伸弥・京都大学教授にノーベル生理学・医学賞。第46回衆議院選挙で、自民党が勝利し、安倍晋三が首相に返り咲く。

2013年度のできごと

アベノミクスによる金融緩和。TPP交渉に参加。エジプトでモルシ政権崩壊し民主化は振り出しに。内戦が続くシリアで化学兵器使用、毒ガスにより1000人以上が死亡。国家機密を漏らした者に罰則を科す特定秘密保護法が成立。福島第1原発の汚染水問題深刻化。中国で「PM2.5」による大気汚染深刻化。14年3月、ロシアがクリミアを併合。

2014年度のできごと

消費税率8%に。集団的自衛権行使を閣議決定。アフリカでエボラ出血熱の感染拡大。広島市で豪雨災害。御嶽山噴火。勢力拡大するIS(イスラム国)をアメリカ軍が空爆開始。パキスタンの人権活動家・マララ・ユスフザイが史上最年少の17歳でノーベル平和賞受賞。15年1月、フランスの新聞社をイスラム過激派が襲撃。ISが日本人の人質2人を殺害。

2015年度のできごと

オバマ大統領とキューバのカストロ国家評議会議長が国交断絶以来の首脳会談。ロシア、イギリス、フランスがシリアのIS拠点へ本格空爆。シリアやアフリカからの難民が急増。国が県の反対を押し切り辺野古移転工事着工。日韓両政府が慰安婦問題で合意。外国人観光客が増加「爆買い」が話題に。16年1月、マイナンバーカードの交付開始。

2016年度のできごと

熊本地震発生。オバマ大統領がアメリカの現職大統領として初の広島訪問。イギリスがEU離脱決定。フィリピン大統領に過激発言のドゥテルテ。選挙権年齢18歳に引き下げ後初の国政選挙。「ポケモンGO」が、世界的人気に。天皇の心情表明、生前譲位の議論活発化。アメリカ大統領選でドナルド・トランプが「アメリカ・ファースト」を掲げ勝利。

2017年度のできごと

森友学園、加計学園問題で内閣支持率低下。「共謀罪」を新設した改正組織的犯罪処罰法が成立。韓国大統領に文在寅が就任。北朝鮮が核実験、ミサイル発射。核兵器禁止条約が国連で採択されるが日本は不参加。国際的NGO「ICAN」がノーベル平和賞受賞。仮想通貨ブームが起きるもコインチェック取引所から巨額の仮想通貨流出。

入学前教育の充実の方針

入学前教育は全てのコースで実施し、コースによってはAO入学合格者にとどまらず、公募制推薦入試および一般入試合格者に対しても行うこととした。課題内容もコースの特色を打ち出したものであり、高等学校における教育内容とオーバーラップしないものとしている。また新設のコースにおいては過去の入学者がいないため、入学者像が想定できなかった関係から、他コースに比較して多めの課題を課す傾向が見られた。

アスタナ国際アクション映画祭

アスタナ国際アクション映画祭は、ティムール・ベクマンベトフ監督が実行委員長を務めるアクション映画に焦点をあてた映画祭。若手アーティストを対象としたビデオ、アニメ、コミック等のコンペを実施している。本学からは、映像、デジタルクリエイション、ストーリーマンガ、マンガ研究科の学生および卒業生が参加。

5つの再編骨子

人文学部の5つの再編骨子概略①入学定員は300名、収容定員は1200名とする。②学問領域は文系として、基本となる教養は哲学、専門的学習は歴史、文学、社会学に拠る、教養教育を強く意識した教学を行う。学部設置当初の特長であったフィールドワークを重視するカリキュラムなど、再度、体験主義、国際主義、学際主義に立ち戻る教学を実施する。③学部名称や学科名称は変更しない。④再編年度は2015年度とするが、再編の方向性に基づく教学改革は2013年度から着手する。⑤教養教育の改革については、全学的な教養教育改革と連動させる。

3Hの教育

「3Hの教育」とは、普遍的な表現行為を具体的かつ確実なものにするために、①Head(頭)② Hand(手)③ Heart(心)の3つの要素を、有機的にバランスよく組み込んですすめる教育活動のこと。この「3H 」を 「個人と全体」、「研究とカリキュラム」、「学内学習と社会学習」という3つの関係性に立たせ、基本的に大学の集団性のなかで、カリキュラムによるプログラムによって促進する。

セイカファンクラブ

「セイカファンクラブ」の会員になると、京都精華大学が開催する講演会やイベントなどの情報が得られるほか、会員限定特典として公開講座ガーデンの受講料割引や京都国際マンガミュージアム入館料割引、情報館の利用証などのサービスが受けられる。

クリエイターデビューを目指す表現者のキャリア形成支援

「クリエイターデビューを目指す表現者のキャリア形成支援」は、文部科学省「大学教育・学生支援推進事業」学生支援推進プログラムに採択され、2009年度より3年間にわたって実施してきたが、その取組みが、学生支援推進プログラム評価委員会による評価において、「目標に沿った取組みが実施されており当該目標を十分に達成している」と総合評定で最高の【S】の評価を獲得。その後に行われた、実績評価や実地調査の結果、「優秀校」として認定された。

「れあた」での酒類提供再開

「れあた」での酒類提供再開にあたって、学長の坪内成晃が改めて、飲酒事故問題を振り返るメッセージを学内に出した。メッセージは岡本清一学長による「教育の基本方針に関する覚書」を引用した後、こう続いている。
〈禁酒の状態を続行する、あるいはルールを設けて管理主義的に行動を制限するのは、ある意味容易な取り組みといえますが、私たちはその方法を選択しません。学生と教職員が「れあた」という場所に集い品位をもってお酒を嗜むことで、本学だからできる教育のかたちとして、飲酒のあり方に真摯に向き合いたい。各学部教授会および事務局会議において、このことを教職員に直接説明し理解をお願いしました。
過去3ヵ年の卒業生を含め、学生、および教職員は、この飲酒事故から多くのことを学んだことと思います。そして、今後も学び続ける必要があると感じています。あの日から2年半という年月が経過しましたが、事故の記憶を風化させず、 わが大学の教育理念である「人間を尊重し、人間を大切にすること」を念頭に、今後も、教育の場において飲酒について知り、考えるプログラムを継続したいと思います。〉

「REATA」のリニューアルに伴い坪内成晃学長がロゴをデザイン。店の入り口に続く特徴的な階段が取り入れられた。

学まちコラボ事業

学まちコラボ事業は、魅力ある地域づくりや地域の課題解決に向けて、大学・学生が地域と協働で取り組む事業を募集し、優れた取組みに対して助成支援するもの。2013年度支援事業として認定を受けた本学の取組みは、①「京北町宇津ふれあい学びあい」(京都精華大学京北宇津宝さがし会)、②「もっと化けよう三条通り」(精華おばけ会)③「サッサ踊ろう 下鴨音頭」(京都精華大学地域文化ブロジェクト)。

サミラ・ブーン

サミラ・ブーン オランダ出身。2002年文部省の研究員として東京工業大学大学院建築科に1年半在籍。「スタジオ・サミラ・ブーン」を設立し、独自のプロダクトやテキスタル制作、インテリアや建築関連の仕事も手がける。

ダライ・ラマ14世とよしもとばなな氏

ダライ・ラマ14世の23日の学内講演会は本学体育館で開催、1477名(在学生450名、保護者280名、卒業生600名、高校生130名など)が参加した。また翌24日は国立京都国際会館にて一般向け講演会を開催、1622名(一般600名、寄付者600名、在学生100名、保護者200名など)が参加した。一般席600席に対する参加申込数は4000名以上、抽選倍率は約7倍となり、講演内容への高い関心がうかがえた。

友愛館にはポピュラーカルチャー学部の実習施設が

友愛館は鉄筋コンクリート、一部鉄骨造り、地下2階地上3階建、延べ床面積3680㎡

竹宮惠子

竹宮惠子の代表作は『地球へ…』『風と木の詩』『イズァローン伝説』『天馬の血族』等。少女マンガに革命を起こしただけでなくさまざまなジャンルで活躍。約45年間、マンガ家として執筆を続け、現在は後進の育成にあたっている。

フィールド・プログラム

人文学部の改革にあたって、学部開設時のコンセプトである体験主義、国際主義、学際主義に立ち戻ることを方針として打ち出したが、このフィールド・プログラムの導入が最も象徴的である。人文学部は、学部開設の際、3年次後期にアメリカ、タイ、オーストラリア、日本各地で体験的に学ぶフィールドワークという手法を導入。内外から高い評価を得た。フィールドプログラムはこのプログラムを復活し、発展させたものである。

学生がデザインした広場

学生の多様性を象徴する場所となることをコンセプトにつくられた広場には芝生を植え、大きなリング状のベンチなどを設置。50人程度が座ることのできる空間設計、人の動線を意識した芝生の形状、機能的で長期間メンテナンスが不要な素材の採用など、細部まで考え抜かれたデザインとなった。

京都精華大学 教学の中期方針 2015~2017

「京都精華大学 教学の中期方針 2015~2017」には左記のような方針が掲げられた。
〈京都精華大学は、教育の基本理念に沿って、自立的な人間を創り育てることを目標にした教学の方針を持ち、その基で形成されるカリキュラムを守って学生に相対し、学生が到達すべき基準に達することが出来るよう、最大限の努力をする。それは学生への最も大事な約束である。個々の教員が持つ知見をただ示すのではなく、学生を同じ地点に引き上げ、必要な知を発見させなければならない。〉

京都精華大学 グローバルビジョン

「京都精華大学 グローバルビジョン2014-2017」は国際化や社会へのの貢献を目指すにあたって、左記のような理念を掲げた。
〈京都精華大学は人文学と芸術の「文化と芸術の教育」によって、地球社会に対する教養と知性を備え、世界で活躍できる人材養成に積極的に取り組んでいく。
多様な文化と価値観を受容し、その中で自己の文化を確立し個性を育むこと。そして文化と芸術の「表現」によって他者と交流、融合し、新しい文化と社会の創造を担う人材を養成する教育活動を推進していく。
この人材養成を通して、京都精華大学は人間が互いに尊重し、真に平和で平等な新しい社会の実現を目指していく。〉

全学的視点から評価活動

現場の視点からの点検・評価活動を行えるよう、各担当理事、学部長、研究科長など各単位の責任者を担当者と位置づけ、自己点検・評価運営委員会の構成員とし、再評価を行った。また、本学の教育研究水準の適切性及び妥当性に関する評価を行うことを目的に「外部評価委員会規程」を制定し、学長の諮問機関として「外部評価委員会」を設置した。

「iC‐Cube」は、外国語学習、国際交流、異文化理解のための共同学習スペース。交流スペース、語学学習支援スペース、教室の3つのスペースがある。留学や日本・海外文化に関する書籍もそろっている。

2017京都精華大学改革実行プラン

「2017京都精華大学改革実行プラン」は、建学の理念を改めて 教育理念として掲げ直し、コース単位で細分化されたカリキュラム編成を改め、大学全体の体系的な教育プログラムを構築すること、国際的な教育の展開の重点化や、入学者選抜過程を教育の一環への位置づけること、教育組織と教員組織の分離による教育マネジメントの全学一元化などを打ち出した。

芸術・文化の連携・協力に関する協定

香川県仲多度郡多度津町との協定締結は、本学教員・学生による「瀬戸内国際芸術祭2013」の参加がきっかけとなった。2016年芸術祭 への活動に加え、今後の離島振興も期待されている。

京都精華大学ダイバーシティ推進宣言

「京都精華大学ダイバーシティ推進宣言」の全文は234〜235ページに掲載。また、この宣言は、2018年4月には、「ダイバーシティ推進宣言2018」に更新され、ダイバーシティ推進の明確なコンセプトや具体的な推進内容と共に、新たな宣言文と活動方針とが発表された。「ダイバーシティ推進宣言2018」の全文は244〜245ページに掲載。

2017京都精華大学改革実行プラン

2015年度に決定した「2017京都精華大学改革実行プラン」は、急激に変化する現代社会に対応し、「選ばれる大学」になるため、全学における体系的な教育プログラムを編成し、教学、管理運営、施設の全ての領域において大きな変革を実施するというもの。

京都市動物園

京都市動物園とは、同園内で京都の里山が体験できる施設「京都の森」の整備や維持に本学人文学部教員や学生が授業で関わり、近隣の小学校とも連携したワークショップを実施した。精華町とは同町へのクリエイター支援施設設置にあたり、本学教員が専門的見地からの提言等協力を行っているほか、同町でのイベントへ学生が参加する等、幅広い交流を行った。この協定により、長期のインターンシップなど、連携をさらに深めることを約した。

ブラウンシュヴァイク美術大学

ブラウンシュヴァイク美術大学は、1952年に設立されたブラウンシュヴァイク市立美術学校を前身とする、ドイツ有数の芸術大学のひとつ。

パリ・カレッジ・オブ・アート

パリ・カレッジ・オブ・アートは、フランスおよびヨーロッパの風土に根ざしながら、アメリカの教育制度に基づき、芸術・デザイン教育を行う。

文化・芸術教養講座

2016年度後期の「文化・芸術教養講座」は、平安文学や絵巻物等から日本の文化を学ぶ「京都発、日本文化入門」コース、型染め・蝋染めの作品制作技術と知識を身につける「テキスタイル入門」コース、芸術鑑賞やディスカッションを通じて、アートと社会 をつなぐための知識と経験を修得する「アートマネジメント」コースの3コースを開設。なお、受講者は託児サービスを受けることができる。

2号理事・2号評議員

2号理事 職員互選評議員理事(評議員を兼ねる)。この法人の職員(学長を除く)のうちから職員(学長、教員その他の職員を含む。以下同じ)の互選により選任した者。
2号評議員 職員互選。「学校法人京都精華大学寄附行為」第6条第2項に定める2号理事(2号評議員を兼ねる)2人を除く評議員。

定年年齢を引き下げる規程改定

定年年齢引き下げは、変化の激しい社会に対応する柔軟なカリキュラムを編成するため人材の流動性を高めること、平均年齢を下げることで人件費の効率化をすすめ財政の安定を図ることが目的。なお、2019年度から10年間は退職金額に一定率の加給を行うほか、本人が希望した場合に最長5年(70歳上限)まで働くことができる再雇用制度を設けることとした。

修交館は鉄骨造延べ床面積983㎡。

京都精華大学京北宇津宝さがし会

「京都精華大学京北宇津宝さがし会」は、2013年から4年連続で採択されており、その継続性と地域への貢献度が高く評価された。

フィールドプログラムの主な演習地は、国内では京都や沖縄、北海道。国外はアメリカ(カリフォルニア大学デービス校)、タイ(チェンマイ大学)、インドネシア(マラナタ基督教大学)など。

計13プログラム

海外ショートプログラムは、教員引率型、スタディーツアー型、語学特化型の3つを実施。フランス美術研修、台湾プログラム、国際ボランティアプロジェクト、ニューヨークアート研修、英語研修、韓国語研修など。

荒俣宏

荒俣宏 作家。慶応大学卒業後、10年間のサラリーマン生活ののち独立。百科事典の編集助手をしながら書いた小説『帝都物語』がベストセラーになり、日本SF大賞受賞。『世界大博物図鑑』で、サントリー学芸賞受賞。神秘学、博物学、風水等多分野にわたり精力的に執筆活動を続け、その著書、訳書は350冊あまり。稀覯書のコレクターとしても有名である。

ウスビ・サコ

ウスビ・サコの専門分野はコミュニティ論、建築計画。研究対象は「居住空間」「京都の町家再生」「コミュニティ再生」「西アフリカの世界文化遺産(都市と建築)の保存・改修」など、社会と建築空間の関係性をさまざまな角度から調査研究している。著書に『知のリテラシー・文化』、論文に「バマコの集合居住の生成と中庭型在来住宅の形成過程の考察」等。